「これから図書館に行く」
「それで?」
「本を2冊借りる」
「これで3冊だ。2週間で読める筈がない」
「頑張る」
「頑張るな」
「なぜ」
「どうせ読めない。挫折感だけが残る」
「じゃあ、どうすれば良い」
「気の向くままに斜め読みだ」
「じゃあ、そうする」
「素直でよろしい」
「ただ、図書館に行った後の行動が決まっていない」
「ああ、昼食か」
「どうしよう」
「ジョリーパスタにしろ」
「久しぶりだな」
「気分転換は重要だ」
「でも、お金がない」
「何とかなる」
「魔の山と火星の人類学者、どっちが優先だ?」
「知らん。見てから決めろ」
「メッセージは無いですか?」
「人間関係に気をつけろ。お前はサービス精神から喋り過ぎだ」
「わかりました、守護霊様」
「よろしい」
「A君がユダヤ教徒になれってうるさいんだ」
「放っておけ」
「ただし、タロットを辞めないとダメだって」
「ああ、サタンのいちみとか言われてたな」
「どう思う」
「タロットはやめるな。金になる」
「でも、もうタロットには疲れてるんだ」
「しばらく休め」
「Bさん問題もあるんだよな」
「放置だ」
「ユダヤ教徒にはならなくて良いんだな」
「当然だ」
「A君の魅力って何だ?」
「愛想の良さだろ」
「それだけか?」
「ああ、そんなもんだ」
「そんなもんか」
「親友にはなるなよ」
「わかった」
「明日はどうしよう」
「図書館だろ」
「忘れてた」
「本当に馬鹿になったな」
「やっぱりそうか。回復はあるか?」
「昔のようには無理だが、今よりはマシになる」
「ありがとう。信じるよ」
「今日はミスをした」
「ああ、イベント会場に残るべきだったな」
「やっぱりそうか」
「当り前だ。なんの目的で行った」
「イベント終了後の打ち上げだ」
「本当に、お前、頭悪いな」
「ああ、でも貴重な情報を入手した」
「結婚を考えているAさんのことか」
「やめておけと言われた」
「それを真に受けるのか」
「しかし、かなりヤバそうだ」
「お前の人生なんて終わってるんだから、どうでも良いだろ」
「あああ、それが守護霊様の台詞か」
「流れに任せろ」
「婚活しようかな」
「無理だ。金がないだろ」
「そうだな」
「やっぱり、イベント会場に残るべきだったか」
「当然だ。しかし、後悔するな。チャンスはまたある」
「Bさんのことか」
「まあ、一緒に食事をするくらいのチャンスだがな」
「のんびり行くか」
「そうだ。のんびりだ」