「中島さん、今日も何とか帰宅出来たよ」
「よかったな。無理するな」
「このブログ。霊界通信なんだよね」
「そうだね。俺は完全に霊体だから」
「今日は霊的にはどうだった?」
「霊的には良いが身体が悪いな」
「明日も出掛けるんだ」
「まあ、人生は終わってるんだ。気楽にやれ」
「頻脈発作と金欠パニックが怖いな」
「何とかなるさ」
「今日から毎日報告するね」
「そうしてくれ。俺も退屈だ」
「お好み焼きに紅しょうがのトッピングが美味しかった」
「うむ。羨ましい話だ」
「生ビールを2杯飲んで、心電図をとった」
「悪くない」
「タクシーを使わず、バスで帰ってきた」
「そういう頑張りは褒めない」
「これから本を読んで、寝る」
「ああ、面倒くさそうな本ね。好きにしな」
「また、明日」
「ああ、待ってるよ」
「結婚を迫られてる」
「妄想だな」
「やっぱりそうか」
「妄想だ」
「でも、結婚しないんですかった聞かれた」
「それがどうして、結婚を迫ったことになる」
「そんなものか」
「当り前だ。相手の親と同じ歳なんだぞ」
「それもそうだな」
「だあたい、なんで結婚したい」
「いや、一人は寂しい」
「結婚生活は厳しいぞ」
「やってみないと分からない」
「お、俺に逆らうのか。守護霊やめるぞ」
「脅しかよ。守護霊様には従いますよ」
「でもね、結婚に向かっている気がする」
「気のせいだ。妄想だよ」
「相手がいる」
「まあ、そのうち分かるさ」
「そうだな、そのうち分かるな」
「3回目の結婚か。面白いと言えば、面白いな」
「春で浮かれてるのかな」
「きっと、そうだろう」
「今度は金曜日だったな」
「多分ね」
「結婚したいか」
「したい」
「馬鹿だな、お前」
「そう言えば知能を回復させてくれ」
「だから時間がかかると言ってるだろ」
「クスン」
「今日は今年初めてのデートだったんだ」
「そうみたいだね」
「で、なんで会ったか聞いたら、暇つぶしだと言われた」
「馬鹿だな。そんなの真にうけるのか」
「違うのか」
「違うに決まってるだろ」
「でもな、押せなかったな」
「押さなくてよろしい。お前は暴走する」
「余生だしな」
「生産的なこと、活動的なことはしないという悟りは、実に良い」
「そうか。執筆に悩まなくてもいいか」
「悩む意味がない」
「霊界は変わったことはあるか」
「いや、結局、世俗を上から眺めているだけさ。ポスト安部とかね」
「物理的実態がないから病気にならないな」
「まあ、量子という実態はあるけどね」
「心臓、どうなるんだろう」
「安静だ。オナニーはするな。危険だ」
「セックスもか」
「当り前だ」
「それにしても馬鹿になったな」
「そうだな。本当に馬鹿になったな」
「守護霊の力で何とかならないか」
「まあ、お前次第だ。お前がこうやって俺の相手をしていれば回復する」
「そうか。でも、もう世俗は良いんだ。知能は回復して欲しいが」
「精神科の薬で脳がやられてしまったんだ。諦めろ」
「おいおい、さっき回復するって言ったじゃないか」
「そうだったな、まあ、自分次第だ。気楽に生きろ」
「ありがとう。気楽に生きるよ」