「中島様、昨日はジャーナリストと繋がりましたぜ」
「そうみたいだな」
「俺様のデビューも近いか」
「デビューは終わっているだろ」
「いえ、まだまだ」
「病気を売りにするのか」
「そういうことになりますね」
「まあ、悪くない。たた深追いするな」
「深追い?」
「色気を出さないことだ。出版とかプッシュはするな」
「あくまで、PULLですね」
「そうだ」
「でも、嬉しいです」
「良かったな。ただ、浮かれるな」
「はい」
「ついにやったよ」
「何をやったんだ」
「長年苦しんできた小説、笑顔の監獄を完結させたんだ」
「それは霊界通信の効果だな」
「俺もそう思う」
「これから、どんどん良いことがあるぞ」
「いや、楽になったよ。懸案はどんどん処理しないとな」
「まあ、浮かれるな。それだけだ」
「わかったよ」
「中島、俺から狂気を取ったら何が残る?」
「心配するな、狂気は取れない」
「俺、マトモになったんだぜ」
「そうか、それはおめでとう」
「俺は狂気というガソリンで動いてきたように思うんだ」
「なら、動かなくなる」
「まだ、狂気が残っているのか」
「ああ、洗ってもどうしようもないくらい、染みついている」
「言ったよな。俺の人生は2014年で終わったって」
「聞いた」
「もうすぐ死ぬんだけど、それまで何をする」
「だから、何もしなくて良い」
「何もしないのも難しいな」
「なら、何かすれば良い」
「何をしよう」
「だから、何もしなくて良い」
「狂気のコレクション」
「それでも良い」
「精神疾患評論家になる」
「経験不足だ」
「狂気のコレクションしか無いか」
「好きにしろ」
「今日も一日、ありがとう」
「やっと守護霊様にお辞儀したな。明日は良い日だ」