混迷
「中島様。私の病状はどうなのですか」
「深刻だな」
「しかし、主治医も訪問看護も地活も誰もが大丈夫だと言います」
「他人事さ」
「どうすれば良いですか?」
「俺にも分からん」
「そんな!!」
「予定通り節約するしかないだろ」
「無理です」
「これから、その無理が1年続くのだ」
「死にたいです」
「なら、なぜアクションを起こさない。怖いのだろ」
「泣き言です。喚いてます。変です」
「ふむ、これも泣き言かな。もっと泣け」
「もっとですか」
「そうだ。泣き疲れて眠るまで泣け」
「中途半端だと」
「もう、発狂を怖れるな。壊れて楽になれ」
「壊れて楽になれ? それが守護霊様の言葉ですか」
「そうだよ。流れに逆らうな、だ」
「わかりました。壊れて楽になります。大丈夫かな」
「お前の粘り腰が悪い方に出ているな」
「粘り腰ですか」
「ああ、往生際が悪い。お気楽で行け」
「はあ、もう薬飲んで、寝ます」
「そうしな。また来いよ」
「はい」