「遂に日曜日だ。新しい週が来たな」
「そうですね、守護霊様」
「しかし、お前さんは、喪失など感じていない」
「はい。あるのは打算です」
「打算も大事だが、打算だけではいけない」
「なにが必要でしょう」
「寛容だ。そして柔らかさだ」
「他には」
「プロにまかせるところは、プロにまかせろ」
「なるほど。弁護士、税理士、保険屋ですね」
「そうだな」
「入院はどうしましょう」
「するしか無いだろ」
「ですよね」
「あまり無理をするな。安全策で早めに行け」
「わかりました」
「くれぐれも計算上の無理をするな」
「はい」
「なら、10時に眠剤だ。ほとんど寝てないんだぞ」
「はい」
「ブログはもうやめろ。やってログインまでだ」
「はい。守護霊様。スケジュールを再確認しておきます」
「では、今日はこの辺で」
「ありがとうございました」
「統合失調ではなく、記憶障害とは、困ったもんだ」
「診断基準と名前だけで、こうも変わるのか、だな」
「俺は混乱しているのに、訪問看護師には、とてもしっかりしていると言われる始末」
「信じてもらえない、演技だと思われる」
「そうだな。そういうケースも頻発するな」
「今日は、2日前のことが1年前のようだと言っておいた」
「それが実感なんだよな」
「そうなんだよ」
「でも、今日は良いこともあった」
「それはそうだ」
「真実の時は終わり、明日の日曜日からは喪失の悲しみを乗り越える時だ」
「よく知ってるな」
「喪失とは母のことだろ」
「間違えなくそうだ」
「もう、接触するな」
「分かってる」
「今日は20時40分に眠剤だぞ」
「そうだな。今日は仕事をした」
「よく山を越えたな」
「あとは、節約と換金だ」
「勝利を急ぐな。中くらいの勝利で満足できるものは、常に勝者でいられる、だ」
「そして、手順を踏め。行き詰まったら巻き戻せ。重要な意思決定は遅ければ遅いほど良い、か」
「そうだ、オックスフォードの常識だ」
「ああ、常識だ」
「寝る時間も重要さ。早朝覚醒も病気だぞ」
「山は越えた。最後の切り札はとってある。今回は切り札を使え。それも上手くにだな」
「そうだ」
「ありがとう守護霊様」
「寛容とは」
「嫌悪の自制」
「寛容で行け」
「はい」
「解離性障害ではなく、一時的な記憶障害の可能性が出てきた」
「そういう見方もあるのか」
「エビリファイが無い」
「電話で問い合わせろ」
「手順が大事だな」
「当然だ。オックスフォードで何を学んだんだ」
「いろいろ考えられるな」
「訪問看護に気を使う必要はないよね」
「当り前だ。その前に頭を使え」
「わかった。ありがとう。取り込み中なんで、後で」
「わかった」